嚥下障害が引きおこす危険
食べ物をうまく飲み込めないことが大きなストレスになることは、嚥下障害でないみなさんにも想像がしやすいと思います。
風邪をひいて、のどが腫れているときに、食べ物を飲み込むだけで痛みを感じることがありますよね。それが日常になるのは辛いものです。
でも、嚥下障害はただストレスになるだけではありません。
うまく食べ物を飲み込めないことが、さまざまな内科的問題を引き起こすのです。ここでは、嚥下障害によって生じる問題をまとめてみました。
嚥下障害が起こす問題
◆窒息
嚥下障害があると、食べ物が食道に入らず、気管に入り込んでしまうことがあります。
多くの場合はむせるときに気管から食べ物が出てしまうようになっているのですが、それがうまく働かなかった場合には、食べ物が気道をふさいでしまい、呼吸困難に陥ってしまいます。
特にお年寄りの場合は危険なので、すぐに適切な対応をとることが必要です。
◆誤嚥性肺炎
口の中や、のどにいる細菌を飲み込んでしまうことで、肺炎にかかることがあります。嚥下障害があると、気づかないうちに唾液などが気管に入ってしまい、細菌が入り込んで肺炎を引き起こすようです。
食べ物が逆流してしまい、胃液が気管に入り込むケースもあります。逆流をふせぐために、食後はしばらくからだを起こしておくようにするといいようです。
◆低栄養
嚥下障害がひどくなると、上手に食べ物が食べられなくなるため、栄養が不足してしまいます。体重が減少してきた場合、特に目に見えて痩せてしまっている場合には、嚥下障害を疑うべきだと思います。
食べることがストレスになるので、食欲も落ちてしまいがち。それが低栄養を招くケースもたくさんあるのだそうです。
◆脱水
実は、嚥下障害がある人にとって、もっともむせやすいのが飲み物です。そのため、水分の摂取量が減り、脱水症状になりやすくなります。
とろみ剤で病気の予防を!
嚥下障害が引き起こす問題は、以上のようなものがあるということでした。
ただ食べるのが辛いだけでなく、これだけの病気や症状を引き起こすのなら、食べ物を正しく飲み込めるような食事を用意することがとても重要だと思います。
とろみ剤などを使って、飲み込みやすい食事づくりを心がけてみてください。